猫を取り巻く環境

猫に多い下部尿路疾患（FLUTD）の原因の多くが

尿石症だと思っていませんか

確かに以前はそうでしたが、

今はストルバイトやシュウ酸カルシウムなどによる

尿石症が原因になることは、

FLUTDの20%程度です。

実際は、特発性膀胱炎（FIC）が

全体の約60%と言われています。

そして、FICの多くが

不安などのストレスが引き金になっていると考えられています

「うちの猫は自由気ままで、いつも寝てばかりいるから、ストレスとは無縁でしょ。」

なんて考えていては、猫の気持ちを

分かってあげていないのかもしれません

全ての猫の飼い主にとって、

ネコちゃんのストレス・マネージメントは大切です

なので、この機会に一度見直してみませんか？

見直すのは以下の３つです。

１）猫-人の関係について

２）猫-猫の関係について

３）住環境について

１）猫と人の関係づくり

猫には“遊び”がとても大切です。

中には、「もう大人になったからあまり遊ばなくなった」なんて声も。

実はこのような誤解は多くあります

遊びは、隠れる・追跡する・捕獲するなどの

狩猟本能を意識した要素があると、

大人のネコちゃんでも十分に喜びます

但し、タイミングが大事です。

飼い主の時間がある時にではなく、

猫主体であることを忘れないでください

時間帯は、

本来狩猟行動をとる時間である

夕方～夜、または明け方が一番好まれます。

猫じゃらしやフードフィーダーなどを上手く利用するといいでしょう

また、“触れ合い”も大切です。

触れ合いたいけど

「うちの子は抱っこが嫌い」「触っていると直ぐに怒りだす」

なんてことも

人との距離感は猫それぞれです。

また、一人がイイ時もあれば、

大好きな飼主さんとベタベタしたい時もあります

“撫でる”というのも、猫にとってグルーミングの一つです。

1日数分だけでも良いので、触ってあげてください。

けれど、触る場所と順番には注意が必要です

いきなりお尻や尻尾を触るなんてことをしたら嫌われますからね

ラバーブラシやシリコン系のブラシがお勧めですが、

２）猫同士の関係づくり

人用のブラシでもピン先に丸い球が付いているタイプならいいでしょう

【同居猫が居る場合】

猫同士はお互いが遊び仲間であり、

その触れ合いはソーシャル・グルーミングと言って

大切なものとなります。

但し、いさかいやケンカ、時として猫の世界でもいじめも起こりえます。

そのために、後述する適切なトイレ・食事・水は

また、逃げ場所（安全地帯）や逃げ道を確保することは、

絶対に配慮しておきたいことです

猫同士の緊張感が高まった時のクールダウンに必須です

【外猫への対処】

同居の猫が居ない場合でも、

窓外に外猫が見えたり、外猫からの視線は気になるもの。

トイレ・食事・水の場所は外から見えない場所に配置してあげること、

また、外から聞こえる猫の声や臭いにも、

案外敏感ですので配慮してあげましょう。

３）理想的な住環境

最後にサラッと、猫にとっての住環境、すなわち

良い食事、

良い水、

良いトイレ、

良い逃げ場所（安全地帯）、

良い爪とぎ場所

について考えましょう。

良い食事とは、ウェット＋ドライです。

ドライフードは置きエサとして適していますし、

水分摂取量の確保からウェットフードも併用して与えたいところです。

猫は狩猟行動の代わりとして、

２～３分の運動後に食事を摂らせると良いでしょう。

また、一般的に猫は1日に15回前後食事をします。

水については、家の各所に水飲み場を設置し、

飲水容器の形状も好み合わせてに配慮してあげると

水を良く飲むようになります。

トイレは、砂を3㎝程度入れると良いです。

また、しっかり砂かきができるサイズを考えると、

トイレの大きさは体長の1.5倍程度必要です。

これはかなり大きく感じると思います。

体格の大きなネコちゃんにとっては、

市販の猫用トイレの多くが小さいと言えます

設置場所は

部屋の隅、

フードと水の置き場所から十分に距離を離す、

人や他のペットの往来が少ない場所を選ぶ、

窓ガラスの近くや電化製品の近くはNGです。

トイレの容器自体は、熱湯や洗剤で定期的に洗浄しましょう。

逃げ場所や安全地帯ですが、

同居の猫とシェアしない、個別の場所が必要です。

家族を見下ろしたり、窓の外を眺めたりできる場所も

ネコちゃんは大好きです

最後に爪とぎです。

爪とぎは垂直に設置するもの、水平に設置するものとあり、

できれば両方あると良いでしょう。

但し、ネコちゃんの好みによってどちらかしか使用しない場合もあります。

いずれにしても、しっかりと安定させてあげないと

安心して使用できませんので注意しください

ネコちゃんの話だと止まりません

長くなってしまいましたが、

見直してみようという項目が一つでもあって

ストレスフリーに生活できるネコちゃんが増えれば嬉しいです

～毎日を人とペットのWell-beingな生活に～、Wellbe Laboでした❣