高齢期のペットの介護ケア

「うちの子はまだ若いし、介護は関係ない」
「もう少し高齢になったら考えよう」
と思ってはいませんか？？
介護ケアが必要になってからではなく、実は日頃から
そして、できればパピーの頃から
しておくべきことがあるのです！！

超高齢になると口の中の掃除が自力でできなくなるため、
食べカスが溜まりやすく
あっと言う間に歯垢や歯石が沈着してしまいます。
口に触ることを慣れていないと、
大抵は口を触ることを嫌がります

高齢になればなるほど、触ろうとしただけで
唸ったり、噛んだり、怒ることがよくあるのです
ですから、介護の時のためにも
デンタルケアや全身を触る練習(トレーニング)は、
パピーの頃から必要です。

また、普段飼い主と一緒にベッドで寝ていて
ケージ (またはクレート)で寝る習慣がない子も
結構な確率で見受けられます。
身体(背骨や関節など)が痛くなった時に、
夜鳴きをするようになった時に、
落ち着いて一人で眠れるようにと考えても
中々上手くいきません

ベッドで一緒に寝るのを禁止とまでは言いませんが、
クレート内でも落ち着いていられる練習は
どんな状況の、あらゆる年齢の子にも必須です。
なぜなら、介護の時に限らず、
飼い主が居ない時間であるお留守番を不安なく
過ごしてもらうためにも役立つからです

もう一つ、外でしか排泄をしないという習慣をつけてしまうと
後々苦労することになります
自力で立ち上がれなくなった時、外に出られないため
排泄を我慢してしまうことに繋がりますぐすん
天気の影響や飼い主の補助の苦労を考えると、
生涯を通じて排泄は
室内で行う習慣をつけるのが重要です。

それでは次に、介護に向けたポイントを列挙します。
・マットは、体圧分散性が良く、通気性が良いものを使う
・枕を使う時は高すぎないもの(できるだけ低いもの)、
柔らかいものを使う
・飼い主が寝返りをうたせて(体勢を変えて)あげる
・身体を清潔な状態に保つ(拭いてあげる)
・排泄の補助やペット用紙おむつなど、
状態に合った排泄の対応をする

そして、ついペットのことばかり考えてしまいますが
実は大切なポイントが３つあります

１）飼い主自身が腰を痛めないように注意する
(特に中型犬以上は要注意ビックリマーク)
・小型犬であればベビーベッドなどを活用し、
高い位置で介護するようにする
・中型犬・大型犬では飼い主が
低い椅子(キャスター付きがお勧め)に座って、
中腰にならないようにして介護するようにする

２）何でも100%を目指さない
人の介護と違って軽く見られがちですが、
ペットの介護だって重労働ですあせる
70%を満点位に考えて、
長く向き合えるように生活を整えることが大切です

３）病気は治療すること
「もう年だから、自然に」
「もう長くないから、そっとしておく」
「病院に連れて行くのがかわいそう」
これらは、残念ながら
すべて間違った考えと言わざる得ません

こういう思考に陥るのは、
おそらく現実から目を背けているのが原因です。
無意識に、都合の良いように
事実を歪曲していまっていると言えます。
根底には、「苦しまないでいてくれさえすれば」
という願いがあるからでしょう。
でも、ご自身や近親者が
超高齢になった際には、まず考えないはずです。

もちろん、こういった言葉の背景に
「歩けない大きな犬を病院に連れて行くのが難しい」
「薬などの治療費が高額になってしまって続けられない」
といった事情がそれぞれあることかと思います。

その場合は、
・通院手段を考える
(ペットタクシーやペットシッターなどを利用する)
・そもそも通院回数を減らすように、獣医師と相談する
・自宅でできることと病院ですることを明確にして、
家族みんなで役割分担をする
・治療の優先順位を決めて、何もかもやろうとしない
・予め月に介護に使う費用を決めて、
その中でやれる範囲を獣医師と相談して行う
など、隠さずに相談して頂けると
動物病院側としても助かります

介護期間は1年を超えることもあります。
長期戦を見越して、続けられる戦略を練りましょう

また、早めに治療を開始することで、
重症になってから治療するよりもお金がかからず、
飼い主の身体的介護負担も軽減します

色々な側面から書いてみましたが、
そもそも介護は千差万別・十人十色です。
ここに書いたことが直接の改善策や解答でなかったとしても、
あらゆる年齢のペットを飼っている方たちの
考えるきっかけになれば良いな、と思っています。

～毎日を人とペットのWell-beingな生活に～、Wellbe Laboでした❣