肥満が解消しない理由

不妊・去勢手術のデメリットの一つは、
肥満のリスクが高まることです。

例えば、
・犬では不妊手術後に最大30%食事摂取量が増加
・猫でも手術3ヶ月後に
   雌で17%、雄で27%食事摂取量が増加
といったデータがあります。

でも、実際には
体重増加の問題はもっと多く起きています。
どうしてでしょうかはてなマーク

 

猫では、不妊手術後に活動量が50%減少
したことが報告されています。
このような食事摂取量の増加や活動量の低下は、
エストロジェンというホルモンが
分泌されなくなることに起因する
と考えられています。

不妊・去勢手術後の犬・猫は、
自発的な食事摂取量が増加する
一方で、
カロリー要求量が減少するため
手術前と同様に食事を与えていると
肥満のリスクは確実に高くなります。

 

適正体重を維持するためには、
食事管理によって
カロリー摂取量を適切に保つ必要があります。
ところが、
飼い主がカロリー摂取量を制限しようとしても、
そこには大きな壁が立ちはだかりますドンッ

それは、不妊・去勢手術後の犬・猫は、
手術前と比べて食欲が増しているため
食事に対する要求が激しくなることです。

愛犬・愛猫に食事をせがまれ、
現実的にカロリー摂取量を制限し、
適切に保つことは
飼い主にとって簡単ではありませんあせる

そうすると、
適正体重を維持しやすいよう設計されたフード
を与えるように
動物病院から推奨されることでしょう。

でも、体重増加に配慮してあるフードを与えても、
なかなか減量に成功しません。
何故でしょう!?

 

減量するには、
摂取カロリーを少なく抑えなければなりません。
そのためのフードは、
カロリー密度の高い脂肪の含有量を少なくし、
食物繊維の含有量を多くすることで、
重量当たりのカロリー密度を低くできます。

◇低カロリーのフードに変更したとしても、
 以前より食欲が増した犬・猫の要求を
 飼い主は拒否できない

◇低カロリーのフードに変更したことで
 安心してしまって、フードを多く与えることに
 抵抗感がなくなる

◇多頭飼育している家庭では、
 個体ごとに食事量を調整することが難しい、
 または個々にどのくらい食事を摂取しているか
 把握できない

などの理由で、結果的に
カロリー摂取量が多くなってしまい、
減量にはならないことが考えられますガーン

そこで、低カロリー密度であることに加え、
ワンちゃん・ネコちゃんの満腹感を高めて、
自発的な食事摂取量を抑える工夫
も必要になります。

 

満腹感に影響を与えるのは、
タンパク質と食物繊維の含有量です。

・犬に高タンパク質・高食物繊維の食事
 を与えると、自発的な食事摂取量が
 有意に少なかった
という報告があります。

一方で、
・猫に極端な高食物繊維の食事を与えると
 嗜好性が低下して、
 食事を受け入れなくなってしまうことがある
そのため、食物繊維の含有量を
適切に調整する必要があります。

なお、猫では
水分を多く含むフードを与えた方が
自発的なカロリー摂取量が少なくなり、
体重も減少したことが報告されています。

猫ではウェットフードを
積極的に利用した方が良い
ということですねウインク

 

不妊・去勢手術後は太りやすくなります。
手術後は、フードを見直すことが推奨されます。

そして、少なくとも
1ヶ月に2回は体重を測りましょうビックリマーク

もし体重が増えていたら、
食事やおやつの量を減らしてください。

フードのパッケージの裏に記載されている
給与表の量は、あくまで
フードを与え始めるときの目安です。
体重が増加した際のフードの適切な量は、
できれば自己判断せずに
獣医師に相談してください。

 

~毎日を人とペットのWell-beingな生活に~
Wellbe Laboでした❣

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。