病院嫌いな犬の意外な理由
「動物病院での診察では、
犬の嫌がることばかりが行われるので、
結果として病院嫌いの犬がとても多くなります。」
という意見を目にしましたが、
実際はというと
案外診察で手を焼くワンちゃんばかりではありません
中には何をされても、
「かまってくれたから嬉しい!」
「いい子にしてたら褒めてくれるよね?」
というケースがしばしばあります。
更には
「今は我慢すればいいんだよね!」
「我慢したから偉いでしょう!」
といったように、状況を理解してくれる子も多くいます
だからといいて、その子の持って生まれた気質頼みではなく、
積極的に“病院嫌い”は予防しましょう
病院嫌いを甘くみていると、
大抵問題はエスカレートしていくことになります。
既に病院嫌いであれば、悪化しないうちに
早期の段階で克服するようにしましょう
犬の寿命は延びており、高齢になれば
当然様々な病気に罹ることになります。
動物病院に通院する機会も必然的に多くなりますから、
ワンちゃんが病院嫌いのままでは
診療行為がストレスとなり、
治療自体にも悪影響を及ぼしてしまいます。
病院嫌いも酷くなると、
治療時に暴れたり噛み付いたりして、
診察がまともに行えなくなることもあります
動物病院では、
家族以外の人(獣医師・看護師・トリマーなど)に
身体の色々な所を触られます。
しかもこうした診察や施術の際には、
動物と人の双方の安全のために
犬が動かないように身体を押さえます(保定)。
こうした行為は、犬自身にとっては不本意なので、
不快に思う場合もあるでしょう。
こうした一連のことが積み重なり、
犬の病院嫌いは形成されていきます
(鎮静をかけないと診察は一切できない、
そして治療も全くできない、という残念な事態は
避けなければなりません!)
そして肝心なことは、
その病院嫌いを助長するのは
実は飼い主自身なのです
当然飼い主さんにはそんなつもりは毛頭なく、
心配のあまり、励ましたいだけなのですが・・・
犬が不安がっている時に、飼い主がそばで
「大丈夫だよ」「怖くないよ」
と必死に語り続けると、
多くのワンちゃんはむしろ混乱します!!
飼い主の掛ける言葉は、
大抵の場合は犬にとって報酬になっていますので、
不安な状態で褒められる犬は、
どのように振る舞えば良いのか分からなくなり
混乱していきます
もちろん、「おとなしくしなさい!」
と叱るのも逆効果です。
犬を叱れば、怖がっているところに
更に罰を与えることになります。
これでは余計に
動物病院や飼い主を信用できなくなりますあせる
では、どうすればいいのでしょうか
犬が不安がったり怖がっている時は、
あまり声掛けをしないようにする
ことが大切です
犬が少しでも取り乱していたら、
まずは冷静に名前を呼びましょう。
これで愛犬が、飼い主の方へ意識を向けたら
おやつをあげて報酬を与えます。
もし、混乱が続いていたら、
おやつを鼻先に持って
意識を切り替えるように促しましょう
つまり、
怖がっていることに対しては報酬を与えず、
意識が飼い主に向いた時や落ちついている時にのみ
報酬を与えるようにします
望ましい状態で報酬を与えることによって、
犬は何が正解なのかを理解することができます。
もちろん、おとなしく出来て無事に診察が終わったら、
その場で沢山褒めてあげることも忘れないでください
犬が動物病院を楽しい場所だと認識できれば、
適切な診療ができるようになるばかりでなく、
犬にも不快なストレスを与えずに済みます。
さらには動物病院に行くことを
楽しみにするようにもなります
こうして動物病院が好きになった犬は、
自ら診察室に入るようになります
ワンちゃんの健康管理のためには、
動物病院への通院は必要不可欠です。
「動物病院に行くのを嫌がるから、
出来る限り行くのを避けよう」
これでは、事態は解決しないばかりか
悪化の一途をたどります。
適切な治療を受けるためにも、
動物病院を楽しい場所にすることは、
私たち動物病院スタッフ側だけでなく
飼い主の役目でもあります。
どうやったら動物病院を、
そして処置を好きになってもらえるのか?
その一つの方法が『おやつ作戦』です。
どうぞ通院する際は、ご褒美のおやつをお持ちください
~毎日を人とペットのWell-beingな生活に~、Wellbe Laboでした❣
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