犬や猫にも香害

高残香性柔軟剤や香料入り消臭除菌スプレーの
CMや広告を見ない日はないですし、
いい香りがするために、好きな香りがあれば
好んで使用している方も多いかと思います

しかし、香りの感じ方は個人差が大きく、
万人にとって心地よく感じる香りは
おそらく“ない”と言えるのではないでしょうか。
私の周りには、香りが強すぎて気分が悪くなるからと、
無香料のものを選んでいる方も多くいらっしゃいます。

一方で、これらの香りは
人工的に作出された香料であり、
揮発性有機化合物(VOC)であるため、空気を汚染し、
自然分解もされにくいという特徴があります。

香料による健康被害は『香害』と呼ばれ、
近年注目されています。
高残香性柔軟剤や香料入り消臭除菌スプレーによる
中毒・健康被害の報告は、
人および動物実験でわずかに報告があるのみです。
最近になり、ようやく
獣医臨床の現場から症例報告がありました

症状としては、元気消失、食欲低下あるいは廃絶の他、
目や鼻の炎症、よだれ、呼吸器症状、神経症状など。
血液検査では
肝酵素の上昇、腎機能の低下を示したとのこと。
香料入りの柔軟剤、消臭除菌スプレーの他、
香料付きペットシーツを除去したことで、
中毒などの重症例を除き、
上記の症状は消失したそうです

高残香性柔軟剤の成分の詳細は
企業秘密の部分もあり、多くの製品の毒性は不明です。
しかし、香料は揮発性有機化合物(VOC)の一つです。
シックハウス症候群の原因とされているVOCの
ホルムアルデヒドやトルエンなどの13物質は、
日本では建材への使用規制対象となっています。
それにもかかわらず、
香料としての規制は対象外です

市販されている室内や衣類の芳香・脱臭剤などから
高濃度のVOCが揮発していることが
明らかになっています

さらに、香料が長時間強く香るのは、
香料をマイクロカプセルに封じ込める
『マイクロカプセル化』の技術によります。
柔軟剤に使用されているものは、
擦るなどの物理的な刺激によって
徐々にカプセルが壊れて
中身の香料を放出する機能などもあります。

このマイクロカプセルの原料は、
メラニン樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂など。
カプセルが破裂する度に、中身の香料と共に
これらの有機化合物成分が環境中に飛散します。
そして、ポリウレタンは壊れるときに
イソシアネートという
ホルムアルデヒドよりも
はるかに毒性の高い物質を発生させます。

また、多くの柔軟剤や消臭除菌スプレーには、
除菌成分として
陽イオン界面活性である第四級アンモニウム塩が
使用されています。
第四級アンモニウム塩は、
細菌の表面に結合して殺菌する効果があります。
しかし、これは動物の細胞にも傷害を与えます

近年の清潔志向により、
高残香性柔軟剤、香料入り消臭除菌スプレーなどを
ご家庭で使用する頻度は格段に増えています。
密閉された室内で頻繁に使用することは、
香料だけでなく、
次亜塩素酸ナトリウム、第四級アンモニウム、
イソシアネートなどの毒性の高い物質を
空気中に高濃度に浮遊させることになります。
より感受性の高いペットに
症状が発生するリスクは高くなります

まだ、これらの化学物質の空気中濃度は
極めて低いので安全
と考える方も多くいらっしゃいます。
しかし、
衣類などに強固に付着したマイクロカプセルは、
2~3年経っても臭いが残ります。
よって、低濃度で長期間にわたり
曝露される危険性はあります

ところで、
上記のペットの症状が『香害』によるものと
獣医師が確定診断をするのは困難です。
加えて、獣医師の認知度が低いために
十分な診断がされていないのが現状です。
ですから、


犬や猫の体調不良の根本原因が、
『香害』であることが見逃されている
可能性がある

ということです。

色々な見解もあるかと思いますが、


香料入り消臭除菌スプレーは
少なくとも密閉された室内で
頻繁に使用することは避けたい
ものです。


そして、

ペットが使用するタオル類の洗濯には
高残香性柔軟剤は使用しないことです。
ご自身が時折香りを楽しむ目的での使用に限るよう
お奨めします

~毎日を人とペットのWell-beingな生活に~、Wellbe Laboでした❣

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