コロナと地球の健康

新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、
大気や水がきれいになったり、
温暖化の原因となるCO₂の排出量も減ったりして、
地球環境はむしろ良くなっている
という、そんな声が聞かれます。

しかし、その一方で感染防止対策とはいえ、
プラスチックの使用量が世界中で急増し、
海のプラスチックごみが増えている
という事実をご存じでしょうか

以下の廃棄が、新たな問題をもたらしています。
テイクアウト用の容器、
ビニールカーテン、
パーテション、
使い捨て手袋(グローブ)、
そして使い捨てマスクなど。
実は使い捨てマスクの多くは「紙」ではなく、
プラスチックでできています
いわゆる「不燃布マスク」のことです。

「不織布」って何からできているかご存じですか
布という漢字が入っているので、
繊維のイメージがあるかと思いますが、
ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステル等の
プラスチックが原料なんです

道に落ちたマスクが風に飛ばされ、
水路や川を通って海へ流れ込めば、
いつまでも海中に残り続けるでしょう
また、大量のプラスチックを生産し、
廃棄の際に焼却すれば、
CO₂の排出量を大きく増やすことにもなってしまいます

私たちができることは、
感染予防に必要なもの以外の
使い捨てプラスチック削減です。
そして、削減できないものは、
確実にリユース、リサイクルすることです。

更に、新型コロナウイルスのような感染症が
発生する要因として、「森林破壊」や
「野生動物の利用拡大」が挙げられており、
そうした問題は解決されていません。

まず初めに、
森林破壊による生物多様性の減少が、
人間と野生動物の接触増加の原因の一つにもなっています。
人間が森林(とくに原生的な環境を残す森)を開発すると、
野生動物が人や家畜との接触機会が増え、
それが感染症多発の直接的原因になる
ということです。

特に過去10年間で、急激に進んだ生物多様性の減少が、
動物から人へ伝播する病原体の宿主動物を
増加させている可能性があります。
なかでも鳥インフルエンザの頻発は大きな問題です。

コロナ禍の中、改めて森林保全と
生物多様性の大切さを認識しなければなりません!!

次に、野生動物の違法取引が、
人獣共通感染症(ズーノーシス)と呼ばれるような
病気を広げるリスクを高めるという報告があります。
特に日本は、ペット目的で
様々な野生動物を輸入しています。
カワウソやトカゲ、サルなどが
「エキゾチック・ペット(アニマル)」として
日本に密輸される事件が相次いでいます。

私たちに身近なところで、
2019年6月に改正された動物愛護管理法が、
2020年6月1日に施行されました。
国が定めた危険動物を
愛玩目的で飼養することが禁止された
などの改善された点もありますが、
課題も多く残っています。

その一つが野生動物の飼育と販売の問題です。
密輸された野生動物が
国内に持ち込まれるのを防ぐ仕組みや、
感染予防の強化、
野生動物の飼育管理基準については
盛り込まれず、不十分なままです。

最後に、新型コロナウイルスと共存しつつ、
いかに経済と生活を立て直していくかが問われている中、
「グリーン・リカバリー」と呼ばれる経済復興政策が、
世界で広がり始めています。

グリーン・リカバリーとは、
コロナ過で落ち込んだ経済の回復を、
地球温暖化対策も強化しながら進めて行こう
という考え方です。
これは、温暖化防止を目指す「パリ協定」や、
「SDGs(持続可能な開発目標)」とも一致する形で
復興を目指す試みです。

時代の大きな変わり目です
今年は社会的な大きな変化に翻弄され
対応に追われた方が多いと思いますが、
来年2021年は、自らが積極的に
変化していかなければならないと思っています。

私たちが今すぐできることは少ないかもしれませんが、
コロナショック後の新しい時代が
より良い世の中になることを願ってやみません

~毎日を人とペットのWell-beingな生活に~、Wellbe Laboでした❣

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