猫のアクティブエイジング
以前、アンチエイジング(抗加齢)ではなく、
更に一歩進んで、健康に活躍できる
“アクティブエイジング”という考え方を、
以前のブログでは
「飼い主さんとワンちゃんも一緒に
アクティブエイジングをしていきましょう」
という側面から紹介しました。
今回は、「猫のアクティブエイジング」です
ご存じの方も多くいらっしゃると思いますが、
猫は、犬や人と様々な点で
異なる栄養学的特性があります
犬や人は食性が雑食の動物です。
雑食動物は、主に植物由来の栄養素を
酵素の働きによる複雑な代謝で
他の栄養素に変換します。
それに対して真正の肉食動物である猫は、
これらに当てはまりません。
・タウリンの体内での合成能が限られている
・尿細管でシトルリンがアルギニンに変換されない
・トリプトファンからナイアシンが合成されない
・βカロテンをビタミンAに変換できない
・アラキドン酸の合成能が低い
などの特徴があります。
イエネコの祖先であるヤマネコが
獲物としていたのは小動物で、
例えばネズミの身体の
タンパク質・脂肪・炭水化物の
乾燥重量の割合は、それぞれ
タンパク質55%、脂肪45%、炭水化物1%と、
炭水化物をほとんど含んでいません。
このため、猫は
血糖値の維持やエネルギー酸性のために
最も効率の良い炭水化物の利用の制限を
余儀なくされてきたのです。
よって、犬や人と異なり
糖質をリン酸化する酵素の発現と活性が
極めて低いなどの特徴があります。
これを人に当てはめると、
“若年発症成人型の糖尿病”に相当します。
また、糖質の代謝に関連して
味覚の中で、『甘味』が欠落しています。
猫は甘味の刺激を感じませんので、
食事中の糖質を
味覚では感知することができずに
糖質の摂取に関しては完全に受け身であり、
糖質の負荷には注意が必要です。
(一部の合成甘味料は苦味として感知されます)
野生の猫がエネルギー源として
利用してきたのは脂肪であり、
獲物から獲得できない糖質は
タンパク質からの糖新生により得てきました。
哺乳類は、ω9不飽和脂肪酸は
体内で生成することができますが、
ω6脂肪酸とω3脂肪酸は、
食事から摂取することが必要である
“必須脂肪酸”となっています。
体内で新規に合成できず、
猫の獲物である陸生哺乳類や鳥類の
体内にほとんど含まれないω3脂肪酸は、
亜麻仁油、荏胡麻油、大豆油、菜種油などの
植物性油脂にαリノレン酸として含まれています。
犬や人・マウスなどは、猫よりも
体内でαリノレン酸を
ETA(エイコサテトラエン酸)、
EPA(エイコサペンタエン酸)、
DHA(ドコサヘキサエン酸)
に変換することができます。
EPAやDHAには、
抗炎症作用が証明されています。
また、神経保護作用も有しています。
これらの恩恵を猫に与えるためには、
食事やサプリメントから給与するしかありません。
猫は犬のように跛行などの症状を示しませんが、
実は『関節炎』が多いことが分かってきています。
抗炎症作用があるEPA、DHAは、
薬に頼らず治療をすることが可能になる可能性が
大いにあります!!
EPA、DHAを配合したフードや
猫用のサプリメントがあります。
特に高齢期のネコちゃんには、
EPA、DHAを与えることを
考慮してみてください
~毎日を人とペットのWell-beingな生活に~、Wellbe Laboでした❣
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