みんな大嫌い!?歯ブラシによる歯磨き

巷にあふれているペット関連の情報の中に
既にデンタルケアについては沢山あり、
書き尽くされているようにも感じます。
それにも関わらず、実施率は低いまま推移しており、
歯ブラシによる歯磨きをしているご家庭となると
未だに極めて少数になります

歯磨きを大切に考えている
モチベーションの高い飼い主が
6ヶ月後に歯ブラシを用いて歯磨きを行っていたのは
約50%であった、
という報告があります。
「継続は力なり」ですが、
飼い主自身が自らのモチベーションを
維持し続けるのは難しいようです

デンタル・ホームケアには、
・歯周病管理用フード
・歯に接触させる玩具
・歯磨きシート
・口腔スプレー
・飲み水に添加するもの
など様々あり、中でも
・歯磨き効果を謳っているガム
の使用率が多いようです。

ですが、歯周ポケットにアプローチできるのは
歯ブラシによるブラッシングだけであることから、
最終ゴールは歯ブラシによる歯磨きであり、
その他のデンタル・ホームケアは、
歯ブラシによる歯磨きの
代用になるものではありません

犬は3~5日で、猫では1週間で
唾液中のカルシウムやリンを取り込んで
歯垢から“歯石”に変化します。
歯石になってからでは、
歯磨きによって歯石を除去することは
出来なくなってしまいます

そのため、
犬では3日以上あけないように、
猫では1週間以内に歯磨きすること

が理にかなっています。
しかし、1週間に1回の歯磨きでは
健全な口腔内の状態が保てず、
数日おきの歯磨きだと
いつ歯磨きしたか分からなくなってしまいがちです

毎日歯磨きを行った場合は37%、
2日1回の歯磨きの場合は25%の
歯垢付着が減少したという報告があります。
出来れば1日1回、
少なくとも2日に1回は
歯磨きを行うことが望ましい
です。

食後に歯磨きする方が
清潔になるイメージがありますが、
このことに関するエビデンスは見当たりません!?
歯磨きのタイミングは、
犬猫においては
食前でも食後でも構わない
ということになります。

「歯磨き=口に触られる時間は
楽しいスキンシップの時間である」

ことを認識させるために、
・口を触れるたびに褒める
・嫌がる場合は無理をしない
・歯磨き後に大好きなおやつを用意して、
「おいしいものがもらえる=
歯磨き後は楽しいことがある」と認識させる
・ペットが安心できるために、飼い主自身が
力まずリラックスした気持ちで歯磨きをする
などが大切です。

次に、犬や猫に
どのような歯ブラシを用いたらよいか?です。
一般的に
ヘッドが小さく、
毛先が柔らかく弾力性があり、
歯周ポケットの中に入りやすいもの
を使用します。
歯周病に罹患している犬や猫には、
先細りの毛先(テーパード毛)の歯ブラシ

をお薦めします。
3面歯ブラシやヘッドが回転するローリング歯ブラシは、
歯面のどこを磨けているか分かりづらく、
結局歯面を撫でているに過ぎないことも多く
非効率的です。

また、口腔内は絶えず唾液で濡れていますので、
乾いたブラシを使用すると痛がることがあります。
必ず動物用の歯磨きペーストの使用や
お湯や水で歯ブラシを濡らして使用するようにします。

歯磨きペーストは、
犬や猫が好きな味のものを用意します。
人間用のペーストは、フッ素を含んでいるために、
消化器障害を引き起こしたり、
重層により尿のpHを変化させるので
使用してはなりません。

デンタル・ホームケアの中で、
歯ブラシはゴールドスタンダードです
そして、ペットの寿命を延ばす方法で
明らかなデータがあるのは、
『不妊手術』と『デンタルケア』だけです。
飼い主自身が自らのモチベーションを維持し、
デンタルケアを継続するしかありません!!
多くの飼い主にとって、
デンタルケア=楽しいスキンシップの時間
になることを願っています。

~毎日を人とペットのWell-beingな生活に~、Wellbe Laboでした❣

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